亜鉛は皮膚や髪、爪など
不足すると目に見える様々な場所に
影響与えるミネラルのひとつです。
アトピー性皮膚炎の場合
亜鉛が不足するとどのような影響が現れるのでしょうか。
アトピーにおける亜鉛の働きとは
亜鉛は体内の存在比として0.02%しかありませんが
たんぱく質の合成、ホルモンの合成
細胞増殖、エネルギーの産生、皮膚の代謝や免疫力の維持など
様々な代謝にかかわっていて
生体運営の上で必要不可欠な働きをしています。
特に亜鉛は多くの酵素が働くときに必要とされ
300種類以上の酵素に関係しているといわれています。
私たちは『ATP』というエネルギーの元を
酵素によって分解することで
エネルギーを得ていますが
このATPを分解する酵素には亜鉛が必要になります。
この『ATP』がアトピー性皮膚炎など
様々な皮膚炎に
かかわっているといわれています。
『ATP』は物理的な接触や
外部ストレスなどの様々な刺激によって
簡単に細胞外に放出され
細胞外に放出されたATPが炎症を引き起こすことがわかっています。
そして、大量に細胞外に放出されたATPが
皮膚炎を引き起こしてしまうと言われています。
亜鉛が不足していると
ATPを分解する酵素が働けず
ATPが大量に溜まり
そのため、アトピー性皮膚炎が起こると考えられています。
亜鉛の必要量は?
日本人の食事摂取基準には
0~17歳までの子どもの摂取量には上限がありません。
しかし、厚生労働省eJIMには
安全な上限量の記載があります。
子どもの安全な上限値
生後6カ月・・・4 mg
生後7-12カ月・・・5 mg
1-3歳・・・7 mg
4-8歳・・・12 mg
9-13歳・・・23 mg
14-18歳・・・34 mg
子どもにサプリメントで
亜鉛を摂取させる場合には
特に注意してください。
過剰摂取の場合
吐き気、嘔吐、食欲不振、胃痙攣
下痢および頭痛などがみられます。
長期間、亜鉛を過剰摂取すると
銅の減少、免疫の低下、
HDLコレステロールの減少など
が生じる場合があります。
食品に含まれる亜鉛の量は?
亜鉛を多く含む食品には
魚介類、肉類、藻類、
野菜類、豆類、種実類があります。
特にかき(養殖/生)には
100gあたり14.5mgの亜鉛が含まれています。
また、うなぎの蒲焼100g(1串)には2.7mg、
豚・肝臓生100gあたり6.9mgと
魚介類や肉類に亜鉛が多く含まれています。
お肉や魚をしっかり食べていれば
不足することはありませんが
アトピー性皮膚炎の場合は
消費量が多く不足しやすいため
サプリメントなどで補うことも大切です。
亜鉛をサプリメントで摂取するときの注意点
亜鉛は食品中のアミノ酸、リン酸、有機酸などと結合し
小腸で吸収されます。
加齢や食品中のフィチン酸やシュウ酸塩、食物繊維、
タンニンなどのポリフェノール
食品添加物であるポリリン酸などは
亜鉛の吸収率を低下させるため注意が必要です。
また、亜鉛は鉄や銅、セレンと拮抗関係にあるため
それぞれ別のタイミングで摂取することがおすすめです。