今回は医薬品医療機器総合機構のHPから
医薬品の添付文書を検索し
添付文書から必要な情報を得る方法を解説します。
まず、医薬品医療機器総合機構のHPを開き
医薬品の添付文書検索をクリックします。
一般名・販売名の空欄に
調べたい薬の名前を入力し
検索ボタンをクリックします。
今回はリンデロンについて調べます。
このような画面が表示されました。
調べたいお薬の名前を探しクリックします。
リンデロンは
リンデロンーVG
リンデロンーV
リンデロンーDP
リンデロンA
ほかにもローションなどがありますが
主に4つの種類があります。
今回はリンデロンーVGという軟膏について調べてみます。
リンデロンーVGはゲンタマイシンという抗菌剤が含まれるため
『G』がついています。
ステロイドの強さは『ストロング』に該当します。
それではPDFの添付文書を開いてみましょう。
お薬の名前の上に
薬効分類名が記載されています。
青いマーカーの部分です。
リンデロンーVGの場合は
『皮膚外用合成副腎皮質ホルモン・抗生物質配合剤』となっています。
次に『禁忌』を見ていきます。
これは絶対に使ってはいけない患者さんについて記載されています。
いくつか記載がありますが、
『2.1 真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症及び動物性皮膚疾患(疥癬、けじらみ等)』
この部分を見るとウイルス性など感染性の皮膚疾患には
使ってはいけないことが分かります。
リンデロンーVGには抗生物質が含まれているので
細菌感染しているものには使ってもいいようですが
抗生物質が含まれていないステロイドは
感染性の皮膚疾患には使うことはできません。
感染性かどうかなんて
医師でないと判断できないですよね。
ステロイドを塗ればなんでも治ると思われがちですが
感染性の皮膚炎に塗ってしまうと
悪化するので注意が必要です。
私はとびひにステロイドを塗って悪化させたことがあります・・・
次は『効能・効果』
『用法・用量』
『特定の背景を有する患者に関する注意』
などを確認していきます。
特に子供の場合は
『用法・用量』や注意事項があることが多いので
注意が必要です。
『9.7 小児等』のところにも
(ベタメタゾン吉草酸エステルによる)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児では、長期・大量使用又は密封法(ODT)により発育障害を来すとの報告がある。
また、おむつは密封法(ODT)と同様の作用があるので注意すること。
と記載があります。
これは短期間の投与ではなくて
長期大量投与または
おむつの下などに塗るときは
投与量によって
発育障害をきたす場合があるということです。
こういうことは医師も薬剤師も言ってくれないことですね。
過度に不安にさせて、治療の妨げになってしまうので。
次は、『副作用』の項目ですね。
この部分は処方時に確認することはほとんどありませんが
患者さんが副作用のような症状を訴えたときに
確認しています。
薬局でお薬をもらった時は
簡単に副作用についても記載がありますが
添付文書に記載してある副作用の
ほんの一部になります。
副作用が現れたら中止するのが一番です。
ただ、ステロイドを急にやめるとリバウンドが起こるので
医師に相談し、適切な薬剤への変更を行うことが
大切です。
ステロイドの適切な中止方法は
リバウンドが起こらないように少量ずつ減らしていくことが
重要になりますので
その場合も医師と相談して行うことが大切です。
次に、『薬物動態』
『薬効薬理』についてです。
この部分は専門的な部分になるので
難しいと思われるかもしれませんが
この部分が理解できると薬剤師が必要なくなります。
リンデロンーVGの『薬物動態』では
塗布して30分ではほとんど吸収されておらず
1時間くらいたつと吸収されていることがわかります。
さらに、4時間後には吸収が良好となっています。
また、リンデロンーVGに含まれるベタメタゾン吉草酸エステルは
尿中に排泄され、体外に出ていきますが
たくさん塗布しても少なく塗布しても
塗布日数に影響を受けるようで
日数が少ないほど尿中への排泄量が少なくなっています。
『薬効薬理』ではお薬の作用機序や
どのような効果があるのか
記載されています。
ステロイドの炎症抑制作用や
免疫抑制作用などについても記載があります。
また、血管収縮作用もあるようです。
抗生物質であるゲンタマイシンの抗菌作用についても
記載があります。
今回は添付文書の見方について記載しました。
薬について医師や薬剤師から聞くだけではなく
子供の薬について親が理解していると
お薬を過度に怖がったり
必要な時に必要なお薬を使うことができるようになると思います。
処方薬は素人判断で勝手に使うことはできませんが
よくわからない薬を漫然と使うのではなく
理解したうえで使用し、必要なくなったと思ったら
医師に相談して、中止の方向にしてもらうことが大切なのではないでしょうか。
アトピーだからと言って
お薬を一生使うことはないと思いますので
必要な時に必要な薬を使うことが基本になります。