アトピーとビタミンA

厚生労働省が設定している日本人の食事摂取基準に対して
令和元年に行われた国民健康・栄養調査で
日本人が不足しがちな栄養素だったのが
たんぱく質、食物繊維、ビタミンA、ビタミンD
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、ビタミンC
カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛
です。

たくさんありますね・・・

今回はこの中でも皮膚の健康に直結している
ビタミンAとアトピーの関係について紹介します。

ビタミンAとは

ビタミンAとは、レチノール、レチナール、レチノイン酸の総称で、脂溶性ビタミンに分類されます。
また、植物に含まれるβ(ベータ)-カロテンは、摂取すると、小腸上皮細胞でビタミンAに変換されるのでプロビタミンA(ビタミンA前駆体)と呼ばれ、ビタミンAの仲間に分類されます。

健康長寿ネットより

ビタミンAの働き

ビタミンAは体内でさまざまな働きを担っています。
鼻、のど、肺、気管支などの粘膜を正常に保つ
目の暗順応、明順応
ロドプシンの合成
細胞分裂の正常化
細胞分化の正常化
軟骨・硬骨の合成
結合組織の合成
味覚・嗅覚の維持
性ホルモンの分泌など

皮膚とビタミンA

正常な皮膚を維持するためにビタミンAは
欠かすことのできないビタミンです。

ビタミンAは細胞の分裂や分化に関与し
コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンなどの合成に必要です。
ビタミンAが不足すると
皮膚が厚くなり、乾燥肌やサメ肌の原因となります。

ビタミンAはシワ、シミ、ニキビなどの
外用剤としても使われており
皮膚の健康には必須のビタミンです。

アトピーにビタミンAは必要?

皮膚は28日周期でターンオーバー(一定の周期で生まれ変わる仕組み)が
行われていますが
アトピーの場合、このターンオーバーが乱れていることが多いと
言われています。

皮膚を引っ掻くことで
まだ、準備できていない細胞がむき出しになるわけですから
ターンオーバーが乱れるのはなんとなく理解できると思います。

そこで、細胞を次々と作り出すときに必要になるのが
ビタミンAです。

ビタミンAが不足していると
正常な細胞分れるが行われなかったり
異常に細胞が増殖してしまったりすることがあります。

そのため、十分ビタミンAを摂取することが
皮膚を正常に整えたり、維持するためには必要不可欠です。

ビタミンAの摂取量

厚生労働省が示している日本人の食事摂取基準は以下の通りです。

日本人はビタミンAの摂取量が少ないといわれており
国民健康・栄養調査でも食事摂取基準の目安量に対して
不足しているビタミンとしてビタミンAが上がっています。

一般的にビタミンAというと多くの方が
人参に含まれていると思っているようですが
人参にビタミンAは含まれておらず
人参にはベータカロチンなどのカロテノイドが含まれています。

カロテノイドは体内でビタミンAに変換され
ビタミンAとして使われることもありますが
その変換効率には個人差があり
ビタミンAとしての効力も弱い栄養素です。
ただ、カロテノイドは体内で抗酸化物質として働くことができ
からだにとってはビタミンAはビタミンAとして
摂取したほうが効率が良いと考えられます。

また、ビタミンAを摂取するとからだに溜まって
過剰症になってしまうのではないかと心配される方もいると思います。

しかし、食事摂取基準の範囲内であれば問題ないので
ビタミンAとして摂取することが大切です。

過剰に摂取してしまった場合は数日空けて飲むようにすれば大丈夫です。

子供にどうやって飲ませる?

ビタミンAが多く含まれる食品は
レバーやウナギなどの日常的にあまり食べない食品です。
野菜などの植物には含まれていません。

そのため、なかなか摂取が難しいので
サプリメントで手軽にとるのが効率的です。

息子はソフトカプセルでも
ハードカプセルでも
子供のころからたくさん飲ませているので
何でも飲めるのですが
最近は錠剤が飲めないお子さんも多いようです。

そんな子でも飲めるのは昔からある

肝油ドロップ

ではないでしょうか。

色々な会社から販売されていますが
我が家ではカワイの肝油ドロップSを使用していました。


2粒で
ビタミンA4000単位(1200μg)
ビタミンD400単位(10μg)

摂取することができます。

甘くておいしいので
何粒でも食べたがりますが
1日に食べられる量が決まっていることを説明して
与えるようにしましょう。

2歳以下の子供でも
1日1粒摂取できれば
1日に必要な量はしっかりと摂取できるのでお勧めです。